育休手当って「収入の8割くらい」ってのは聞いたことあるけど、具体的にどう計算しているのだろう。
詳しくは厚生労働省のページに全部書いてあるのですが、情報量が多いので最低限の部分だけわかりやすくお話します。
また、前提として雇用保険に加入している人(会社員やパート)に向けての内容となります。
※ 【育休手当=育児休業給付金】という認識でお話しております。
自身の給付金額を知る
自身の収入を整理
まずは計算の基となる自身の収入について整理しましょう。
仮に以下のような収入があると仮定します。
(社会保険料とか引かれる前のもの)
・基本給 20万円
・役職手当 5万円
・通勤手当 2万円
・残業代 3万円
合計 30万円
ふむふむ・・・
ボーナスは考慮しなくていいのかな?
はい、ボーナスは計算しません。
育休手当の支給額には影響しませんので。
給付金額の算出方法
給付金額は育休前の「直近6ヶ月分の収入」を基に算出されます。
じゃあ残業の有無や昇給とかで毎月ばらつきがあるね。
その通りです。
ただ、今回は計算が複雑になるので先ほど算出したもの(毎月30万円)で考えましょうか。
直近6ヶ月分の収入を「日割り」にします。
30万円 × 6ヶ月 = 180万円
180万円 ÷ 180日 = 1万円
日額で1万円になったね。
そして、育休開始して最初の180日は日額の67%。
それ以降は50%が支給されます。
つまり、一ヶ月あたり・・・
1万円 × 30日 × 0.67 = 20万1000円(最初の180日)
1万円 × 30日 × 0.50 = 15万円(181日目から)
上記が実際に支給される金額となります!
また、毎月30万円の収入がある人だと手取りは25万円くらいでしょうか。
(社会保険料や所得税などを引いて)
そうなると最初の半年は差額5万円か!
確かに手取りの8割くらいになるね!
また、育児休業給付金は非課税なので次年度の住民税が安くなります。
これは嬉しい!
育休で収入が減ってしまうのは間違いないです。
しかし・・・
「これくらいなら、しばらくは貯金で生活できそう!」
そう思える人も決して少なくないかも知れません。
注意点
育休手当は本当に魅力的です。
ですが、注意しなくてはならない点もあるのでそちらを解説します。
支給される時期が遅い
育休手当ってすぐに支給されるわけじゃないよね?
育休に入ってからどのくらい掛かるのかな?
あくまで一般論ですが・・・
男性の場合、約3ヶ月後だと言われております。
(女性の場合は産後休業明けからの開始なので4〜5ヶ月後)
思っていたより結構遅いね!
そうですね・・・
原則として支給は2ヶ月分まとめて行われます。
そういった理由もあって時間が掛かりますね。
参考までに実際、自身(男性)が育休を取得した際は以下の通りでした。
育休開始日 | 6月21日 |
---|---|
初回の支給日 | 10月19日 |
2回目の支給日 | 11月1日 |
3回目の支給日 | 1月4日 |
4回目の支給日 | 3月6日 |
自身の場合は初回で4ヶ月くらい掛かってます・・・
(初回の支給が遅れたせいか2回目との間隔は短めですね)
妻も専業主婦なので、育休開始後の数ヶ月は金銭的にキツかったです。笑
なので実体験として言えることは・・・
ある程度の貯金は必須です!
上限額・下限額が決められている
稼ぎすぎている人は損しちゃうの!?
損をするというよりは旨味が減るというイメージでしょうか。
以下がその金額となります。
(支給日数が30日の場合です)
給付率 | 上限額 | 下限額 |
67%(180日目まで) | 310,143円 | 55,194円 |
50%(181日目から) | 231,450円 | 41,190円 |
ざっくり言うと手当を含めた月給が約46万円を超える人が該当します。
(ちょっと羨ましい)
該当しないのが嬉しいような悲しいような・・・
補足しますと、上記の金額は会社から賃金が支払われなかった場合です。
また、時短勤務などをして賃金が発生すると減額や支給されない場合があるのでご注意ください・・・
(この辺はゴチャゴチャしそうなので本記事では解説しません。)
育休中は素直に育児に専念すべきってことかな。笑
育休中に稼ぐなら「非雇用型」という働き方をオススメしています。
詳しくは以下の記事で解説しております。
(先ほどの給付金の減額とかの話も含めて)
支給要件を満たしているか
ここまで色々話を聞いてきたけど、そもそも条件を満たしていなかったら虚しい。
確かに、一番大事なテーマですね。笑
ただ、育休を取ろうとしている多くの人は満たしている内容だと思っているのでサクッと記載します。
① 雇用保険に加入している。
② 育休開始前の過去2年間で11日以上働いた月が12ヶ月以上ある。
③ 子どもが1歳6ヶ月になるまでの間に、雇用契約が満了することが明らかでない。
①と②はわかるけど③はどういう意味?
主に派遣社員や契約社員の方が気にするポイントですね。
契約更新の際に「◯月で契約終了」と決まっている場合はNGということです。
なるほど!
仮に派遣社員で3ヶ月毎に契約更新したとしても「契約満了」でなければ大丈夫なんだね。
その通りです。
また、②についても同一企業である必要はありませんよ。
直近で転職したとしても記載内容を満たしていればOKです。
ただ、②について派遣社員の人は注意が必要です。
「同一事業主から1年以上、雇用契約がある」という条件が追加されている場合があります。
厚生労働省のページにもそんな記載がないのに謎なのですが・・・
派遣社員の人はこちらも確認された方が良さそうです。
住民税は自身で収める
注意点と言いますか、ちょっと面倒くさいかな?と思ったので記載します。
元々、給与からの天引きではなく普通徴収で住民税を支払っている人にとっては特に気にならない内容ですね。
給与から天引されている人は育休を機に普通徴収になるので、自宅に納付書が届き次第ご自身で収めてください。
ちなみに筆者は納付を忘れがちです。
納付期限が過ぎて督促状が届いてから納付することが多いです。笑
最近はコンビニに行かなくてもスマホのQR決済で支払えるんですよね。
普段から忘れておいてなんですが、本当に便利です。
会社と連携する
※ 本件はきちんと会社が手続きして、給付金が支払われるか心配な人がお読みください。
こちらも結構大事な項目です。
個人的に気になるポイントをお伝えします。
その前にザックリとした時系列を以下に記載します。
① 会社へ育休取得の意思を伝える。
② 担当者(人事労務)の指示に従って必要書類を会社に提出。
③ 育休開始
④ 会社担当者がハローワークへ必要書類を提出。
※ ②と③は人によっては前後するかもしれません。
ふむふむ・・・
基本的には会社の担当者がメインで色々とやってくれる感じだね。
その通りです。
そして気にしてほしいポイントは①と④です。
①についてはトラブル防止の為にも早めが望ましいですね。
そこさえできれば一旦はボールは会社にあるので、その後会社の指示に従って書類を提出すればOKです。
そして④です。
こちらは自身でおこなう必要はないので気にしなくても良いと言えば確かにそうですが・・・
ご自身の生活に直結する部分なので、もし万が一、担当者が提出を忘れていたら大変です。
忘れている場合の方が可能性は低いのでしょうが・・・
やはり人間ですからね。
育休の手続きに慣れていない会社だったりすると決して有り得ない話ではないかと思います。
でも不安だからといって
「ちゃんとハローワークに書類出しました?」
なんて聞くのは気まずいよ・・・
自身もそう思います。笑
それにその時期はもう育休に入っていて直接会話する機会もないでしょうからね。
なので念のため「育児休業給付金決定通知書」が届いたら送ってください。
と事前に担当者とお話しておくのがオススメです。
これは支給期間や支給額が記載されている紙です。
こちらが発行されていれば、まず心配ないでしょう。
この通知書はハローワーク側からも「育休取っている人に渡してください」と明記されております。
なので、こっちから言う必要がないといえば確かにその通りです。
もし、なかなか給付金が振り込まれていないようだったら
「まだ会社に通知書届いてないですかね?」
くらいの温度感で言う分には全く失礼に当たらないと思います。
本件については必須ではなく、心配な人にとって参考になればと思います。
ただ、上記の「支給される時期が遅い」という見出しでも話した通り、きちんと会社が手続きしてようが時間が掛かる内容です。
そのあたりを理解した上で、担当者とやり取りしていただくことをオススメします。
また、育休取得について会社に言い出しにくいと思っている人は以下の記事が参考になるかと思います。
まとめ
今回は育児休業給付金について、実体験を交えてまとめてみました。
まだまだ足らない部分はあれど、個人的には本当に良い制度だと思っております。
ですが、注意しなくてはいけない点を見落としていて
「こんなはずじゃなかった!」
と思う人が少しでも減るお手伝いができれば嬉しいです。
今後も育休に関することについて実体験を中心に発信していきます!